報連相の言い方テンプレ集|報告・連絡・相談がスムーズになる例文フレーズ

また報告のタイミング逃したかも…。

私も“とりあえず様子見ます”って言っちゃって、結局あとで聞かれて焦るんだよね。

何て言えばいいか分からないうちに時間がたって、ますます言いづらくなるよね。

ちゃんとした言い方の型があれば、そこまで怖くないんだろうけど…。
仕事で避けて通れないのが「報連相」。
大事だと分かっていても、
- いつ報告すればいいのか
- どこまで詳しく伝えればいいのか
- どう切り出せばいいのか
このあたりがあいまいだと、「また後でいいか」と先延ばししてしまいがちです。
本記事では、報告・連絡・相談それぞれの“言い方テンプレ” をまとめていきます。
敬語の完璧さよりも、「短く・早く・分かりやすく」伝えることを重視したフレーズ集です。
この記事で分かること
- 報連相がうまくいかない原因と、「いつ・誰に・どの手段で」伝えるかの基本ルール
- 進捗報告・トラブル報告・完了報告をスムーズに伝える言い方テンプレ
- スケジュール変更や共有事項をチャット・メールで送るときの件名と本文の型
- 上司が答えやすくなる相談の切り出し方と、NG→OKの言い換えフレーズ一覧表
- 報連相のタイミングや「忙しそうな上司への声かけ」が不安なときの考え方Q&A
「毎回、ゼロから文章をひねり出す」のではなく、
自分用にアレンジできる“型”を手元に置いておくイメージで読み進めてみてください。
報連相がうまくいかない理由と、押さえておきたい基本スタンス

報連相が苦手だと感じやすいよくある理由
「報連相がうまくできない=社会人としてダメ」と感じて、必要以上に落ち込んでしまう人もいるはずです。
ただ、実際には環境や状況の変化で難易度が上がっている面も大きいと言えます。
たとえば、こんな場面はないでしょうか。
- 上司がいつもバタバタしていて、声をかけるタイミングがつかめない
- 「どこまで詳しく言うべきか」が分からず、話し始める前から尻込みしてしまう
- ミスやトラブルの報告で、「怒られそう」と感じて後回しになってしまう
最近はテレワークやオンライン会議が増え、
「席に行って一言声をかける」というシーンが減りました。
- チャットで送っていいのか
- メールにまとめた方がいいのか
- 会議のときまで待つべきなのか
このあたりの判断が難しくなり、結果として報連相のタイミングが遅れやすくなっています。
ここで大事なのは、
「自分は説明が下手だからダメだ」と性格だけの問題にしないことです。
- 上司の忙しさ
- 働き方の変化(リモート・時差勤務など)
- チャット文化への慣れ・不慣れ
こうした要素も重なって、誰でも報連相のハードルは上がりやすい状況にあります。
まずは「苦手なのは自分だけではない」と知るところからで十分です。
上司・先輩が本当に知りたいのは“事実”と“判断材料”
報連相がうまくいかないとき、多くの人が
「ちゃんと説明しなきゃ」「きれいな言い方を考えなきゃ」と考えすぎてしまいます。
一方で、上司や先輩の立場から見ると、欲しい情報は意外とシンプルです。
ポイントは次の四つだけです。
- 状況(何が起きているか)
- 影響(どこに・どのくらい影響しそうか)
- 見通し(この先どうなりそうか・いつまでにどうするか)
- 欲しいアクション(助言・決裁・ヘルプなど、相手にしてほしいこと)
たとえば、こんなイメージです。
「A社向けの資料作成が、想定より半日遅れています(状況)。
納品予定の16時には間に合いますが、社内チェックの時間が短くなりそうです(影響)。
14時までに素案を共有し、修正が1回で済めば予定通り納品できそうです(見通し)。
14時の時点で一度内容をご確認いただけますか(欲しいアクション)。」
感情や言い訳を長く話すより、
「状況+影響+見通し+お願い」を短く押さえる方が、
上司側は判断しやすくなります。
報連相の目的は、
「怒られないようにするため」ではなく、
仕事を進めるために、相手と判断や対応を共有するため
と捉え直しておくと、少し気持ちが楽になります。
完璧な日本語より「短く・早く・分かりやすく」を目指す
報連相というと、
- 敬語を完璧にしなければならない
- 前置きを丁寧にしないと失礼になりそう
と構えてしまいがちです。
ただ、実務の現場では、
「丁寧だけど要点が分からない長い説明」より、
「多少ラフでも、短く・早く・分かりやすい説明」の方が助かる場面が多くあります。
たとえば、最初は次のような流れだけでも十分です。
- 結論(どういう状況か/何をしてほしいか)
- 必要な背景(なぜそうなったか)
- 今後の対応(自分がやること・相談したいこと)
本記事で紹介するテンプレは、
「そのまま一字一句読む」ことをゴールにしていません。
- 自分の話し方に合わせて、少しだけ言葉を崩す
- 会社や上司の雰囲気に合わせて、ていねいさを調整する
こうしたアレンジを前提にした“型”として使ってもらう想定です。
このあと、
- 報告(進捗・トラブル・完了)
- 連絡(共有・スケジュール・変更)
- 相談(判断を仰ぐ・助けを求める)
それぞれの場面ごとに、
すぐに使えるフレーズとNG→OKの言い換え例を順番に整理していきます。
報連相の基本ルール 「いつ・誰に・どの手段で」伝えるか
タイミングの目安 「問題が起きたらいつ報告するか」
報連相でいちばん揉めやすいのは、内容よりもタイミングです。
とくに「言うのが遅かった」「もっと早く相談してほしかった」と言われるパターンは、誰でも避けたいところでしょう。
ここでは、次の二つだけに絞ってタイミングを考えてみます。
- 自力で解決できる見込みがどれくらいあるか
- 締切や期日まで、どれくらい時間が残っているか
シンプルな目安は、次のようなイメージです。
- 当日中のタスクの場合
- 「予定時間の2〜3時間前になっても、終わるイメージが持てない」
- → この時点で一度、途中経過として報告しておく。
- 締切が数日先のタスクの場合
- 「前日になっても方針が固まらない・手がついていない」
- → 前日の午前中までには「まだここまでしかできていません」と共有しておく。
- トラブル・ミスが発生した場合
- 重大度が高いほど、「原因が分かってから」ではなく
発生から15〜30分以内に一次報告を送るイメージにしておく。
- 重大度が高いほど、「原因が分かってから」ではなく
たとえ結果が出ていなくても、
- どこまで分かっているか
- 何をしようとしているか
- どこで詰まっているか
といった途中経過だけでも共有しておくと、上司側は手を打ちやすくなります。
上司・先輩の立場からすると、
「困っているなら、早めに一言教えてくれた方が助かる」
というケースが多いと言えるでしょう。
「全部分かってから報告しよう」と構えすぎず、“8割分かった段階で一度報告”くらいを目安にしておくと、後出し報告はかなり減っていきます。
誰に伝えるかを迷ったときの優先順位
報連相で意外と迷いがちなのが、「誰に言うべきか」という点です。
基本の起点は、
- 仕事を任されている直属の上司・先輩
ですが、案件によっては他部署や関係者も巻き込む必要があります。
迷ったときは、次のシンプルな順番で考えると整理しやすくなります。
- 自分がいま一番困っている人(その仕事の責任者)
- 例:プロジェクトリーダー、直属上司、担当先輩 など
- 影響を受ける人
- 例:納期に影響が出る営業、サポート担当、関連チーム
- 最終的な判断権を持つ人
- 例:部長・マネージャー、クライアント側のキーパーソン
メールやチャットのTo/CCの付け方も、この順番で考えると整理しやすいです。
- To:直接、動いてほしい人・判断してほしい人
- CC:状況だけ知っておいてほしい人
CCを付けすぎると、
- 誰が主体なのか分かりにくくなる
- 「誰かが見るだろう」と思われて、かえって誰も動かない
といった弊害も出やすくなります。
逆に、関係者を入れなさすぎると、
「そんな話、聞いていない」
となり、後から説明の手間が増えてしまいます。
迷ったときは、
「このメールを見て、具体的に動く必要がある人は誰か」
を1〜2名に絞って To に入れ、
「知っておいてもらうと安心な人」を CC に加えるくらいがちょうどよいバランスです。
対面・電話・チャット・メールの使い分け
同じ内容の報連相でも、どの手段で伝えるかによって受け取られ方が変わります。
ここでは、
- 緊急度(どれくらい急ぎか)
- 重要度(どれくらい影響が大きいか)
- 記録の必要性(後からログを残す必要があるか)
の三つを軸に、手段を選ぶ目安を整理しておきます。
ざっくり分けると、次のような使い分けになります。
- 対面・電話(口頭)
- 向いているケース:
- 緊急度が高い(すぐ判断が必要)
- 内容が複雑で、やりとりが多くなりそう
- 相手の反応を見ながら話したい
- 例:重大なトラブル発生、仕様変更の相談、クレーム対応の方針決め など
- 向いているケース:
- チャット(Slack・Teams・社内チャットなど)
- 向いているケース:
- 緊急度はそこそこ、早めに一言確認したい
- 短いやりとりを何度か重ねそう
- 一応ログも残しておきたいが、メールほど硬くしたくない
- 例:「この案で進めてよいか」の確認、軽い状況報告、ミーティング時間の微調整 など
- 向いているケース:
- メール
- 向いているケース:
- 重要度が高く、関係者が複数いる
- 後から見返せる形で、正式に記録を残したい
- 詳細な条件や数字を含む
- 例:正式な報告書、方針決定の共有、外部とのやりとりの経過報告 など
- 向いているケース:
これらを組み合わせると、判断のパターンは次のようになります。
- 緊急度「高」×重要度「高」
- まずは対面 or 電話で口頭報告
- そのあとに、メールやチャットで要点と決定事項を文字で残す
- 緊急度「高」×重要度「中」
- チャットでまず「今よろしいですか?」と声をかける
- すぐに話せる状況なら、口頭で詳細を共有
- 緊急度「低」×重要度「高」
- 事実・数字・経緯を整理してメールで送る
- 必要なら、その内容をもとにミーティングで補足説明をする
- 緊急度「低」×重要度「低」
- 出社時や雑談のついでに口頭で伝える
- もしくはチャットで一言だけ共有する
記事としては、この三軸を簡単な表や図解にしておくと、
外部からも「参考図」として引用されやすくなります。
このあとは、
- どんな内容を
- どのタイミングで
- どんな手段で
伝えるとスムーズかを意識しつつ、
具体的な言い方テンプレ・NG→OK言い換えを整理していきます。
報告の言い方テンプレ 進捗・トラブル・完了報告のフレーズ
このパートでは、いちばん出番の多い「報告」を
- 進捗報告
- トラブル・ミス報告
- 完了・成果報告
の三つに分けてテンプレ化していきます。
どれも「一言目に何を言うか」「そのあと何を順番に足すか」を決めておくと、かなり楽になります。

進捗報告の基本テンプレ 「結論→数字→補足」
進捗報告は、まず一言目で全体像を伝えるのがポイントです。
- 今どこまで進んでいるか(結論・数字)
- 締切に間に合いそうかどうか(期限への影響)
を先に言い、そのあとで「やったこと/残り/不安点」を足していくイメージです。
進捗報告の基本型
【口頭・チャット・メール共通で使える型】
A案件の進捗についてご報告します。
現在、およそ〇%ほど完了しており、〇日の締切には〔間に合う見込みです/このままだと遅れそうです〕。
ここまでで「全体の結論」が伝わります。
そのあとに、次の三点を短く添えます。
- いままでに「やったこと」
- これからの「残り作業」
- 気になっている「不安点・相談したい点」
【続ける一文の例】
ここまでに、〇〇の設計と△△のレビューまで完了しています。
残りは、テスト作業と資料作成で、およそ〇時間ほどかかる見込みです。
テスト項目が多いため、遅れを避けるには、人員を一人追加できると助かります。
手段別の言い方テンプレ
【口頭でさっと伝えるとき】
A案件の進捗ですが、今だいたい60%くらいまで来ていて、締切には間に合う見込みです。
きのうまでに設計が終わって、今日はテストに入っています。
テストで問題が出なければ、このままのペースで大丈夫そうです。
【チャットで送るとき】
A案件の進捗をご報告します。
・現在:作業全体の約60%完了
・締切:〇日までには間に合う見込みです
・済:設計・レビュー
・残:テスト・資料作成(見込み〇時間)
不確定要素として、テスト工数が読みにくいので、進めながらまた共有させてください。
【メールで正式にまとめるとき】
件名例
【進捗報告】A案件 〇月〇日時点
本文例
お疲れさまです。A案件の進捗について、〇月〇日時点の状況をご報告いたします。
1.全体進捗
・作業全体の進捗率:およそ60%
・〇日締切に対する影響:現時点では間に合う見込みです。
2.完了している作業
・〇〇の設計
・△△のレビュー
3.残作業と見込み
・テスト作業:〇日までに実施予定(目安〇時間)
・資料作成:テスト完了後に着手(目安〇時間)
4.懸念点
・テスト工数が増えた場合、スケジュールに影響が出る可能性があります。
必要であれば、テストの人員追加についてご相談させてください。」
「結論→数字→補足」の順番を守るだけで、読む側も状況をつかみやすくなります。
トラブル・ミスが起きたときの報告テンプレ
トラブル報告で大事なのは、
- 先に事実を伝える
- 次に影響の大きさを伝える
- 最後に対応案と判断してほしいことを伝える
という順番です。
言い訳から入ったり、他人のせいに聞こえる話し方はNGです。
トラブル報告の基本型
【一言目の型】
A案件で、本日10時ごろにトラブルが発生したため、ご報告とご相談です。
内容は、〇〇の不具合により、△△のデータが一部欠けている状況です。
ここで
- 何が
- いつ
- どの程度
起きたのかを、評価抜きで淡々と伝えます。
【続ける情報の順番テンプレ】
- 原因の仮説(分かっている範囲で)
- 現時点の対応状況
- 今後の見通し
- 上司に判断してほしいこと
例
現時点での原因の仮説としては、〇〇の設定ミスの可能性が高いと見ています。
すでに設定の修正と、影響範囲の洗い出しを進めており、本日中に対象データのリストアップを完了させる予定です。
復旧の見通しは、早ければ〇日中、遅くとも〇日午前中には対応完了できると考えています。
つきましては、お客様へのご説明タイミングと内容について、ご相談させていただけますでしょうか。
NG例とOK例の対比(短め)
NG例
OK例
同じ「自分のミス」でも、
- 先に事実と対応状況を出す
- そのうえで自分の落ち度を認める
という順番にすると、聞く側も状況を把握しやすく、必要な判断に集中できます。
完了報告・成果報告のテンプレ
仕事が終わったときの報告は、「終わりました」の一言だけで済ませがちですが、
- 何を
- いつまでに
- どの状態まで完了したか
を揃えて伝えると、受け取る側の安心感が大きくなります。
成果が出たときは、数字+一言コメント+今後の方針+感謝もセットにしておくと好印象です。
完了報告の基本型(社内向け)
A案件の資料作成が完了しましたので、ご報告です。
予定どおり、本日〇日中にドラフト版まで仕上げています。
現在の状態は、全体構成と主要スライドのたたき台まで作成済みで、細かい表現はこれからブラッシュアップ可能な段階です。
お時間あるときに、内容をご確認いただけますと幸いです。
タスクによっては、
- どこに格納したか(フォルダ・URL)
- 次のアクション(レビュー依頼・共有先)
もセットにしておくと親切です。
資料は、共有フォルダの「A案件/提案資料/〇月〇日版」に保存しています。
問題なければ、〇日午前中にお客様への共有を進めてもよろしいでしょうか。
成果報告のテンプレ(数字が出ている場合)
先月実施したキャンペーンの結果についてご報告です。
お問い合わせ件数は〇件で、前年同月比で約△%増となりました。
特に、〇〇経由の流入が増えたことが全体の伸びに寄与しています。
次回は、反応の良かった△△の訴求を中心に、クリエイティブをブラッシュアップしたいと考えています。
企画段階からご協力いただき、ありがとうございました。
社外向けの完了・成果報告テンプレ
社外向けは、社内よりも少しだけていねいな表現にします。
いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
ご依頼いただいておりましたA案件のレポートにつきまして、本日予定どおり納品可能な状態まで完成いたしましたので、ご報告申し上げます。
主な内容は、〇〇の分析結果と、今後の改善提案を取りまとめたものとなっております。
データの概要とサマリーを別紙1枚に整理しておりますので、まずはこちらからご覧いただければ幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のうえ、ご質問やご要望がございましたらお知らせください。
今回の案件に際しまして、各種ご協力を賜り、誠にありがとうございました。
- 「何が」「どこまで」終わったのかを一言目で伝える
- 相手側の次アクションが分かるように一文添える
- 協力への感謝を必ず一文入れる
このテンプレをベースに、
- 日々の軽い進捗
- いざというときのトラブル報告
- 仕事が終わったときの完了・成果報告
の三場面を「型」で回せるようにしておくと、報連相のストレスはかなり軽くなります。
次は、「連絡」「相談」の場面で使える具体フレーズも同じように整理していきます。
連絡の言い方テンプレ スケジュール・共有事項・変更時のフレーズ
ここでは、「報告」ほど重くはないけれど、放っておくとトラブルになりやすい「連絡」のフレーズをまとめます。
- 日程・時間・場所が変わるとき
- チームに情報を共有するとき
- 自分が不在になるときや、仕事を引き継ぐとき
こうした場面では、相手の行動が変わる情報を、結論からシンプルに伝えるのがポイントです。
スケジュール・場所・担当の変更連絡テンプレ
まずは一番多い「変更の連絡」です。
相手の動きに直接影響するので、最初の一文で変更点をはっきり示すことを意識します。
日程・時間変更の基本型
口頭でもチャットでも使える、シンプルな型です。
本日の打ち合わせの開始時刻を、〇時〇分に変更させてください。
〇日の定例ミーティングですが、都合により〇日に変更をお願いしたいです。
少し情報を足すときは、次の順番にすると分かりやすくなります。
- 結論(何をどう変えるか)
- 理由(軽く一言で)
- 相手にお願いしたいこと
例
本日の打ち合わせの開始時刻を、先方のご都合により、〇時〇分に変更させてください。
お手数ですが、開始5分前を目安にオンラインにご入室いただけると助かります。
チャットやメールでは、変更点だけ箇条書きにするのも有効です。
本日の打ち合わせについて、変更点は以下のとおりです。
・開始時刻:13:00 → 13:30
・場所:第1会議室 → 第2会議室
直前の変更で申し訳ありませんが、ご確認をお願いいたします。
集合場所・会議室の変更テンプレ
本日のミーティングの場所を、第1会議室から第3会議室に変更します。
本日の集合場所ですが、エントランス前が混雑しているため、〇階ロビー前に変更させてください。
外出先の場合は「目印」とセットにすると親切です。
駅改札を出て右手のカフェ前に集合場所を変更します。
目印は入口横の青い看板です。
担当変更・窓口変更の連絡テンプレ
今後のA案件のご連絡窓口は、私から〇〇に変更となりましたのでお知らせします。
本件の実務担当は私が引き継ぎました。以後のご連絡は、私宛にいただければと思います。
社外向けの場合は、一文ていねいに添えます。
担当変更に伴いご不便をおかけすることもあるかもしれませんが、引き続きよろしくお願いいたします。
チームへの共有・情報展開フレーズ
次は、「上から降りてきた情報」「社内ルールの変更」などをチームに共有する連絡です。
ここは、
- 背景
- 変更点
- 影響範囲
- いつから
の4つをセットにすると、読み手が迷いにくくなります。
情報共有の基本型
〇〇部から、勤怠入力ルールの一部変更について共有がありましたので、お知らせします。
この一文のあとに、4要素を順番に並べます。
【背景】
残業時間の把握精度を上げるため、勤怠システムの設定が見直されました。【変更点】
・残業を行う際は、事前申請が必須になります。
・当日の申請は、原則として認められなくなります。【影響範囲】
・全社員が対象です。特に、プロジェクト事情で残業が多いメンバーはご注意ください。【適用開始日】
・〇月〇日勤務分から適用されます。不明点があれば、私か総務の〇〇さんまでお問い合わせください。
このようにパーツを分けておくと、他の共有内容にも使い回しがしやすくなります。
ルール・運用変更の簡易版テンプレ(チャット用)
明日からのフロア入館ルールについて、共有します。
・変更点:入館時に社員証のタッチが必須になります
・対象:本社勤務の全社員
・開始日:明日〇月〇日から
忘れた場合、警備受付での手続きが必要になりますので、ご注意ください。
共有漏れを防ぐためのチェックポイント
連絡前に、次の三つを軽く確認しておくと安心です。
- 対象者は全員含まれているか(アルバイト・派遣・他部署応援など)
- 期日や開始タイミングが明確か
- 後から見返したときにも分かる場所に残っているか(チャットのピン留め、社内ポータルなど)
たとえばチャットで流れてしまいやすい内容は、
重要なため、社内ポータルにも同内容を掲示しました。
と一文添えておくと、「後から確認できる場所」が明確になります。
引き継ぎ・不在時の連絡テンプレ
最後は、休暇や出張などで席を外すときの連絡です。
ここでは、
- いつからいつまで不在か
- どの案件に影響があるか
- 代わりの窓口は誰か
をセットで伝えるのが基本です。
休暇・出張の事前連絡テンプレ
〇月〇日〜〇日まで、有給休暇を取得する予定ですのでお知らせします。
期間中、社外とのやりとりが必要なA案件については、〇〇さんに引き継ぎ済みです。
緊急のご連絡がある場合は、〇〇さん宛にご連絡いただけますと助かります。
もう少し簡易にするなら、チャットで次のようにも書けます。
明日〇日は午後から外出のため、社外対応ができません。
A案件については、急ぎの分だけ〇〇さんにお願いしています。
メールは確認しますが、返信が遅れる場合があります。
引き継ぎメモの基本型
引き継ぎメモは、次のように構造化しておくと分かりやすくなります。
【案件名】A案件
【現状】
・提案書ドラフト作成まで完了
・先方の担当者は〇〇さん【今後の対応】
・〇月〇日までに社内レビュー
・〇月〇日に先方へドラフト送付【注意点】
・予算感に敏感な案件のため、見積もり表現に注意が必要です
・先方は13〜15時の打ち合わせを希望する傾向があります【問い合わせ先】
・社内:営業部の△△さん
・社外:先方〇〇さん(メールアドレス〜)
テンプレとして押さえるべき項目は、
- 現状
- 今後の対応
- 注意点
- 問い合わせ先
の四つです。
在宅勤務・時差勤務時のステータスメッセージ例
テレワークや時差勤務の場合は、「いつ見てくれるのか」が分かるだけでも安心感が変わります。
本日は在宅勤務です。チャットは随時確認しますが、12〜13時は離席します。
時差勤務のため、本日の対応可能時間は10〜18時です。それ以外の時間帯のご連絡には、翌営業日に返信します。
チャットのステータスやメールの署名の一文として入れておくと、相手も連絡のタイミングを調整しやすくなります。
ここでは、「報告」ほど重くはないけれど、放置すると困る「連絡」を、
- 変更連絡
- チーム共有
- 不在・引き継ぎ
の三つに分けてテンプレ化しました。
この三つの型をメモに控えておくだけでも、「どう書こう」と手が止まる時間をかなり減らせます。
続くパートでは、「相談」の言い出し方と、上司に話を聞いてもらいやすくするフレーズを整理していきます。
相談の仕方テンプレとNG→OK言い換え表
ここでは、報連相の中でもハードルが高くなりやすい「相談」の場面に絞って整理します。
相談は弱みを見せる行動に見えがちですが、仕事の質を上げるための大事なスキルです。
- 相談の言い出し方
- 上司が答えやすい形への整え方
- NGな持ち込み方の言い換え
これらをまとめておくと、「モヤモヤした状態のまま話してしまう」ことを減らせます。
上司が答えやすい相談の切り出し方とNG→OK表
相談の基本形は、次の流れを意識すると整理しやすくなります。
- 結論(どうしたいか/何に困っているか)
- 状況(いつ・どの案件で・どんな状態か)
- 選択肢(自分なりに考えた案)
- 意見をもらいたいポイント(どこで迷っているか)
例えば、
「A案とB案で迷っているのですが、どちらを優先すべきかご相談させてください。」
「締切までに〇〇が終わらなさそうなので、優先順位を一緒に整理していただけると助かります。」
といった形です。
一方で、次のようなパターンは上司が状況をつかみにくくなります。
- 「どうしたらいいですか?」だけ投げる
- 「とにかく無理です」と感情だけをぶつける
- 「〇〇さんのせいで進みません」と人のせいに聞こえる言い方
こうしたNGを、少し言い換えるだけで印象は変わります。
下の表は、そのまま置き換えて使える「NG→OK」の具体例です。
| NGフレーズ例 | OKフレーズ例 | 意図・想定シーン |
|---|---|---|
| 何をどうしたらいいか分からないので全部決めてください。 | A案とB案で迷っているのですが、どちらを優先すべきかご相談させてください。 | 方針に迷ったときの相談 |
| ちょっと無理です。 | 締切までに今のままだと難しいため、作業の分担か期限の調整について相談させてください。 | スケジュールの相談 |
| 〇〇さんのせいで進みません。 | 自分の対応だけでは進めにくい状況なので、関係者も交えた進め方を相談できれば助かります。 | 他部署・他担当が絡む案件 |
| とりあえず聞いてください。(長い前置き) | 5分ほどお時間いただけますか。〇〇案件の進め方について一点ご相談があります。 | 忙しい上司への声かけ |
| もう限界なのでこの仕事は無理です。 | このままの体制だと品質に影響しそうなので、担当の見直しか優先順位の調整を相談させてください。 | 担当範囲・業務量の相談 |
| どっちでもいいので決めてください。 | どちらの案にもメリットがあるのですが、今回はどちらを重視すべきか判断をいただけますか。 | 判断基準を聞きたい場面 |
| 全然進んでいません。 | 想定より遅れており、現時点で進捗が約30%です。挽回のために残り工程の削減案について相談させてください。 | 遅延の共有と巻き返し相談 |
| 正直やりたくありません。 | 経験が少なく不安なため、進め方を教えていただくか、サポートをお願いできると助かります。 | 苦手業務へのサポート相談 |
| とにかく困っています。 | 〇〇の条件が決まらず止まっているので、優先すべき条件を整理するお時間をいただけますか。 | 条件整理・意思決定の相談 |
| 今ちょっといいですか。(内容が不明) | 10分ほどお時間よろしいでしょうか。B社向け提案書の方向性について、ご意見を伺いたい点があります。 | 面談依頼の切り出し |
- 「全部決めてください」ではなく「どこを決めてほしいか」を示す
- 人のせいにせず、「自分の対応だけでは難しい」と整理する
- 時間をもらう前に「何の相談か」を一言添える
この三つを意識するだけで、相談の印象が大きく変わります。
相談内容をまとめるときのメモの作り方
相談に行く前に、数分だけメモを作っておくと話が短くまとまりやすくなります。
おすすめは、次の五項目です。
- 現状
- 理想(どうなっていると良いか)
- ギャップ(どこが問題か)
- 自分で試したこと・考えた選択肢
- 欲しい判断・意見
具体例としては、次のようなイメージです。
【現状】
・A案件の提案書作成が、現時点で予定より2日遅れている【理想】
・〇月〇日の先方打ち合わせまでに、提案書を完成させて共有したい【ギャップ】
・見積もり部分の条件が決まらず、先に進められていない【自分で試したこと・考えた選択肢】
・過去の類似案件を参考に仮の条件案を作成
・営業の〇〇さんに、相場感のヒアリング
・以下の二つの案に絞った(案1:価格優先、案2:サービス内容優先)【欲しい判断】
・今回は価格と内容のどちらを優先すべきか
・先方との打ち合わせで、どのように提案する方針にするか
ここまで整理してから相談に行くと、上司も状況をつかみやすくなります。
あわせて、事前にチャットで概要だけ送っておくのも有効です。
「A案件の提案書の条件整理について、上記のような状況です。
明日10分ほどお時間をいただき、方針を相談させてください。」
この一文とメモを共有しておけば、対面で話すときに、
- 前提の説明を短くできる
- 具体的な判断やアドバイスに時間を使える
というメリットがあります。
なお、このパートのNG→OK表のフレーズは、部署名や案件名を差し替えるだけで応用できます。
- 「A案件」→「〇〇プロジェクト」
- 「提案書」→「資料」「レポート」「デザイン案」
といった置き換えで、自分の現場に合う形に調整してみてください。
チャット・メールで使える報連相テンプレ(件名・冒頭・締め)
チャットやメールでの報連相は、対面よりも「ニュアンスが伝わりにくい」「とりあえず送ったけれど、ちゃんと読まれているか不安」になりやすい場面です。
ただ、件名と冒頭の一文に「何の用件か」「どの程度急ぎか」が書いてあれば、相手は一気に読みやすくなります。
ここでは、
- 件名の付け方
- 冒頭と本文の基本構成
- 締めの一言テンプレとNGパターン
を、社内・社外どちらでもそのままアレンジしやすい形でまとめます。

件名テンプレ 「【報告】」「【連絡】」「【相談】」で目的を明確にする
件名は、相手が「開く前に用件を判断する」ための見出しです。
特にメールは、件名だけを一覧でざっと見て「後回しにするか、すぐ開くか」を決めています。
そのため、件名の先頭に「何の目的のメールか」が分かるキーワードを置いておくと親切です。
- 【報告】
- 【連絡】
- 【相談】
- 【確認】
- 【共有】
など、四角カッコ付きのラベルを一つ決めておくと、受け手が一目で判断できます。
具体例は次の通りです。
- 【報告】A案件の進捗について(4月10日時点)
- 【報告】○○セミナー参加結果の共有
- 【連絡】4月12日の打ち合わせ時間変更の件
- 【連絡】在宅勤務日のスケジュールについて
- 【相談】Bプロジェクトのスケジュール調整の件
- 【相談】○○資料の優先順位についてご意見伺いたく
- 先頭にラベル、その後に案件名
- 日付やバージョンがあれば括弧で補足
- スマホで見切れないよう、前半で「何の話か」が分かるようにする
例えば、
NG例
OK例
のように、件名の前半だけでできるだけ内容が伝わるよう意識してみてください。
冒頭文と本文の型(社内・社外別の例文)
件名で「用件の種類」が分かったら、本文の冒頭で「誰から」「何について」の連絡かを一気に示します。
ここでは、社内と社外で使える冒頭+本文のシンプルな型を用意します。
社内向けの基本型
冒頭の定番は次の流れです。
- あいさつ
- 自分の所属と名前
- 件名の要約(結論)
例)
お疲れさまです。営業部の山田です。
A案件の進捗状況についてご報告いたします。
お疲れさまです。開発部の佐藤です。
Bプロジェクトのスケジュールについて、ご相談させてください。
その後の本文は、次の順番を基本にすると分かりやすくなります。
- 結論(今どういう状態か/どうしたいか)
- 詳細(背景、数字、経緯)
- お願い(確認してほしいこと、判断してほしいこと、締切)
進捗報告メールの例)
お疲れさまです。営業部の山田です。
A案件の提案資料の作成状況についてご報告いたします。
現在、全体の約7割まで作成が完了しており、4月15日の締切には間に合う見込みです。
本日中に価格パートの草案を仕上げ、明日午前中に内容の最終チェックを行う予定です。
大きな懸念はありませんが、価格条件について一点確認したい点がありますので、後ほど別途チャットで相談させてください。
社外向けの基本型
社外向けでは、会社名と相手の名前をきちんと書くことが基本です。
いつもお世話になっております。
○○株式会社 営業部の山田でございます。
A案件の納品スケジュールについて、進捗をご報告申し上げます。
相談や調整のメールであれば、
いつもお世話になっております。
○○株式会社 営業部の山田でございます。
表題の件につきまして、スケジュール調整のご相談でご連絡いたしました。
といった形で、冒頭の三行程度で「誰が・何の件で」連絡しているかを明確にしておきます。
その後は社内同様、
- 結論
- 詳細
- お願い(ご検討いただきたい案、希望する期限)
の順番で書くと、読み手の負担が少なくなります。
締めの一言テンプレとNG例
締めの一文は、相手に「何をしてほしいのか」「どの程度の急ぎなのか」を伝える大事なパートです。
ここが曖昧だと、読んだ側は「今すぐ対応すべきか」「後回しでもよいか」が判断しづらくなります。
まずは、用途別の定番フレーズを押さえておきましょう。
確認・返信をお願いしたいとき
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、〇日までにご返信いただけますと助かります。
可能でしたら、〇日中に一度ご意見を頂戴できますでしょうか。
相談したいとき
もし可能でしたら、〇日〇時ごろに10分ほどお時間を頂けますと幸いです。
一度、方針についてご相談させていただきたく存じます。ご都合のよい時間帯を教えていただけますでしょうか。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご判断いただきたい点がございますので、後ほどお時間を頂戴できますと幸いです。
報告のみで、相手のアクションが不要なとき
取り急ぎご報告まで申し上げます。
本件、まずは情報共有までとさせていただきます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。
逆に、避けたい締め方の例も挙げておきます。
NG例
これらは、
- 何をしてほしいのかが分かりづらい
- 相手に丸投げしている印象になる
- ビジネスメールとしてはくだけすぎている
と受け取られる可能性があります。
同じ内容でも、
- 「〇日までにご確認いただけますと助かります」
- 「ご判断いただきたい点は、以下の二点です」
と、やってほしいことと期限を簡潔に添えるだけで、相手にとっての負担が大きく減ります。
チャットでもメールでも、
- 用件ラベル付きの件名(または先頭文)
- 冒頭で結論とテーマ
- 締めで「してほしいこと」と「目安の期限」
この三点を意識しておくと、「伝わりやすい報連相」のベースが整っていきます。
よくある質問Q&A 報連相の不安とモヤモヤ
報連相に正解はあっても「この通りにやれば100点」という万能ルールはありません。
だからこそ、多くの人が同じようなところでつまずきます。
ここでは、検索されやすそうな悩みをそのまま質問文にして、短く要点を押さえてお答えします。
細かいニュアンスは人や職場によって違いますが、まずはここで紹介する考え方をベースに、自分の現場に合う形に調整してみてください。
質問 報連相のタイミングが分からず、いつも後手になります
報連相のタイミングは、多くの人が一番迷うポイントです。
「もう少し自分で頑張ってから報告しよう」と思っているうちに時間がたち、気付いたときには締切が近づいている。
こうして、結果的に「後出し」になってしまうケースは珍しくありません。
基本の考え方は、とてもシンプルです。
- 迷ったら、途中経過だけでも早めに共有する
- 解決できるかどうかあやしい時点で一度知らせておく
この二つを意識してみてください。
例えば、次のようなひと言だけでも立派な報連相になります。
A案件の進捗ですが、今のところ想定より半日ほど遅れています。
この後の対応プランをまとめたので、一度ご相談させてください。
トラブル対応中ですが、締切までに収まるか微妙な状況です。
10分ほどお時間いただき、優先順位について相談させていただけますか。
「報連相の基本ルール 「いつ・誰に・どの手段で」伝えるか」で触れたように、タイミングは「締切までの余裕」と「自力で解決できる見込み」で考えると整理しやすくなります。
- 早すぎる報告で困られるケースは、それほど多くありません
- 一方で、遅すぎる報告は「もっと早く言ってくれれば対処できたのに」と不信感につながりやすいです
「完了してから報告」ではなく、「途中でも状況を知らせる」ことを意識するだけで、後手に回る場面はかなり減っていきます。
質問 忙しそうな上司にどう声をかければいいですか
常にバタバタしている上司を見ると、話しかけるタイミングに迷います。
とはいえ、遠慮し続けると報連相が遅れ、結果として上司側の負担も増えてしまいます。
声をかけるときは、
- 用件の中身
- 所要時間
この二つを最初にセットで伝えると、上司は予定を立てやすくなります。
対面や電話での切り出し例は、次のようなイメージです。
今、3分ほどお時間よろしいでしょうか。
B案件のスケジュールについてご相談したい点があります。
〇〇の件で5分ほどご報告と相談があります。
この後か、もしくは午後のどこかでお時間いただけますか。
「今お時間よろしいですか」だけだと、どのくらいの重さの用件か分からず、身構えさせてしまうことがあります。
時間の目安とテーマを添えておくだけで、上司は「今すぐ聞くべきか」「後で時間を取るか」を判断しやすくなります。
チャットの場合は、いきなり長文を送るよりも、まずは短い一言で予定を確認すると負担が軽くなります。
お疲れさまです。B案件の進め方について、5分ほどご相談したい点があります。
本日、どこかでお時間いただくことは可能でしょうか。
〇〇の件で進捗報告とご相談があります。
いつ頃でしたらお声がけしても差し支えないでしょうか。
多くの上司にとって、「何も相談されないまま進んでしまう」方がリスクです。
「忙しそうだから言わないでおこう」ではなく、「短くまとめて頼みやすい形で持っていく」ことを意識してみてください。
質問 どこまで詳しく伝えればいいか毎回悩みます
報連相でよくある悩みが、「どこまで話せばいいのか分からない」というものです。
詳細を話しすぎると長くなり、要点だけだと「情報が足りない」と言われるのではないかと不安になります。
基本の順番は、次の通りです。
- 結論
- 数字・規模・期限への影響
- 補足(背景や経緯)
まずは、これだけ押さえておけば十分です。
例えば、
C案件の進捗ですが、想定より1日遅れています。
原因は先方からのデータ到着が遅れたためで、明日中には取り戻せる見込みです。
このように、
- 何がどうなっているか(結論)
- どのくらいの影響があるか(数字や期限)
を最初に伝えれば、相手は「どの程度の問題か」をすぐ把握できます。
その上で、
詳細の経緯は、必要であれば改めてお伝えします。
と添えておけば、上司が「もう少し詳しく教えて」と言ったときだけ、背景を説明すればよくなります。
新人や異動直後など、仕事に慣れていない段階では、やや詳しめに説明した方が安心されやすい場面もあります。
一方、担当歴が長くなると、上司によっては「要点だけ知りたい」という人もいます。
- 詳細派の上司か
- 要点派の上司か
を普段の会話や他の人への指示から観察し、少しずつ情報量を調整していくとよいでしょう。
質問 ミスやトラブルを報告するとき、怒られそうで怖いです
ミスやトラブルの報告は、誰にとっても気が重いものです。
「もう少し様子を見てから報告しよう」と考えているうちに時間が経ち、結果として事態が悪化し、余計に強く叱られてしまうケースもあります。
押さえておきたいのは、次の二点です。
- ミス発覚から時間が経つほど、上司が取れる選択肢は減っていく
- 早めに報告する方が、結果としてダメージを小さくしやすい
報告の順番は、「報告の言い方テンプレ 進捗・トラブル・完了報告のフレーズ」でも触れた通り、
- 何が・いつ・どの程度起きたか(事実)
- 現時点での影響と見通し
- 自分なりに考えた原因の仮説と、今やっている対応
- 判断や協力をお願いしたい点
この流れを意識すると、感情よりも「対処」に話を向けやすくなります。
例)
本日10時ごろ、C社向けの見積書に金額の誤記があることが判明しました。
先方にはまだ正式送付前で、社内チェックの段階です。
現在、正しい金額に修正したうえで、社内承認フローをやり直しています。
今回の原因は、前回の見積書の数字を流用した際のチェック漏れと考えています。
今後同じことが起きないよう、見積り作成時のチェックリストを追加したいのですが、内容について一度ご相談させていただけますか。
ここで大切なのは、
- 言い訳から入らない
- 他人や外部要因のせいにしない
- 「次にどうするか」を一緒に考える姿勢を見せる
ことです。
報告のたびに落ち込む必要はありますが、「次は同じミスをしないために何ができるか」を一つだけ添えるだけでも、上司からの信頼は変わってきます。
- チェックリストを作る
- 作業を分担する
- 締切の前倒しラインを決める
など、小さな工夫でかまいません。
ミスをゼロにすることは難しくても、「発覚後の報告と対処」を丁寧に重ねていくことで、報連相自体は確実に上達していきます。
まとめ 今日からできる「報連相をラクにする」一歩
ここまで見てきたように、報連相は「センス」よりも「型」と「タイミング」でだいぶラクになります。
とはいえ、いきなり全部を実践しようとすると、かえって負担が増えてしまいます。
最後に、今日から無理なく始められる小さな一歩を整理しておきます。
まずは一つのシーンと三つのフレーズだけ決める
最初から「報告も連絡も相談も全部レベルアップしよう」と思うと、ほぼ確実に続きません。
おすすめは、自分がいちばんよく直面するシーンを一つだけ選ぶことです。
例えば、次のようなイメージです。
- 上司への進捗報告をするとき
- トラブルが起きたときの第一報をするとき
- スケジュールが厳しいときに相談したいとき
- メールやチャットで簡単に共有したいとき
「この場面だけは、今より少しラクにしたい」と決めたら、そのシーンで使えそうなフレーズを三つだけ選びます。
- 進捗報告の一言目
- トラブル報告の出だし
- 相談を切り出すときのひと言
- メールの件名テンプレ
など、自分が「これなら言いやすい」と感じるものを優先してください。
全部を完璧に覚える必要はありません。
大事なのは「この場面になったら、まずはこの三つのどれかを口にすればいい」という“逃げ道”をつくっておくことです。
報連相は、一気に上手くなるものではなく、「使える型を少しずつ増やしていくもの」と考えておきましょう。
自分専用の報連相テンプレ集をスマホにメモする
せっかく良いフレーズを見つけても、いざというときに思い出せなければ意味がありません。
そこでおすすめなのが、「自分専用の報連相テンプレ集」をスマホやノートにメモしておくことです。
例えば、メモアプリの中で次のように分けておきます。
- 報告
- 進捗報告の出だし
- トラブル報告の出だし
- 完了報告・成果報告の一言
- 連絡
- 日程・場所変更の連絡文
- チームへの共有テンプレ
- 相談
- 相談の切り出しフレーズ
- NG→OK言い換え表で「自分に使えそう」と思った一文
実際に仕事の中で使ってみて、
- 言いやすかったもの
- 相手の反応が良かったもの
だけを残していくイメージで、少しずつ入れ替えていきます。
入社直後と数年後では、任される業務も、付き合う相手も変わります。
ときどき見直して「今の自分」に合うテンプレにアップデートしていくと、メモ自体が心強い武器になっていきます。
うまくいかない報連相があっても落ち込みすぎない
どれだけ準備しても、「今日はうまく伝わらなかったな…」と感じる報連相は必ず出てきます。
その原因が、必ずしも自分だけにあるとは限りません。
- 相手がたまたま非常に忙しかった
- 組織全体がバタバタしていて、余裕がなかった
- そもそも会社のルールや文化自体が曖昧だった
こうした要因でも、手応えは簡単に変わります。
大事なのは、
- うまくいかなかった理由を一つだけ言語化してみる
- 「次はこの型を試してみよう」と、具体的な一歩に変えておく
この二つです。
例えば、
- タイミングが遅かった → 「報連相の基本ルール 「いつ・誰に・どの手段で」伝えるか」の「途中経過だけでも早めに共有する」を試してみる
- 説明が長くなった → 「報告の言い方テンプレ 進捗・トラブル・完了報告のフレーズ」の「結論→数字→補足」の順番に言い直してみる
- 相談がふわっとしていた → 「相談の仕方テンプレとNG→OK言い換え表」のNG→OK表から一文を選んで使ってみる
というように、「次に試す具体策」に変えてしまえば、その経験も無駄にはなりません。
報連相は、「怒られないための儀式」ではなく、「仕事を一緒に前に進めるためのコミュニケーション」です。
本記事で紹介した型やフレーズを、自分の働き方に少しずつなじませていくことで、
- 報連相が怖いものではなく
- 仕事を助けてもらえる手段の一つ
として感じられるようになっていきます。
まずは、今日一つだけシーンを決めて、三つのフレーズをメモするところから始めてみてください。


